D 図形のコピーとツールの作成

数学辞典 (第2版) の388ページの図1を書いてみます。その図には、下の完成図に加えて文字が書き込まれていますが、ここでは省略しました。また、下図はビデオからのキャプチャなので十字カーソルが写り込んでいますが、実際に作成された画像にはありません。

6つある直方体をコピーで作成していることと、普通に書くと手間のかかる多数の破線を、ツールを作成して楽に書く方法を説明します。youtubeにビデオ (4分23秒) があります。

まず、多角形ツールで直方体を1つ書き、面は塗りをなしにしておきます。これを6回反復するよりは、平行移動してコピーを作成する方が楽です。下の図では、平行移動量を指定するベクトルを2本、軸上に作成しています。

「ベクトルに沿ってオブジェクトを平行移動」のツールを選び、下図のように移動したいオブジェクトを選択し、それから、ベクトルをクリックすると、平行移動した位置にコピーが作成されます。

平行移動してできたオブジェクトは、元のオブジェクトの「動的な」コピーなので、下図のように元のオブジェクトを変形すると、それに応じてコピーの方も変形します。同様に、元の図形を削除するとコピーの方も削除されますので、元の図形が不要になった場合は、削除せずに非表示にします。

元の直方体を右へ2回コピーし、それら3個をまとめて上へ1回コピーすると、合計6個の直方体が作成されます。

次に多数の破線を書きます。線分を書いて、プロパティダイアログで破線に変更すればよいのですが、何度も同じ操作をするのは面倒なので、2点を選択すると破線を描画するツールを新規に作成してみます。

まず破線を書き、それを選択した状態でメニューの「ツール」-「新規ツールの作成」を選びます (下図)。

すると、下図のように、出力オブジェクトの欄には選択した線分が表示されています。

また、下図のように、入力オブジェクトの欄には、その線分を書くのに必要だった*自由*オブジェクトが表示されます。作図の途中で必要な従属オブジェクトは、それ以前に作成された自由オブジェクトを元に作成できるので、ツールの入力としては不要であるということです。入力オブジェクトについては多少の変更は許されますが、正確な仕様は不明です。

適当に名前を付けてツールを作成すると、下図のように、作成したツールがツールバーに表示され、既存のツールと同等に利用できます。下図では、作成したツールを選択して、2点を選択して破線を多数書いています。

最後に、ラベルを非表示にするなどしてから、画像にしたい範囲を選択して、メニューの「ファイル」-「エクスポート」-「グラフィックスビューを画像として」を選ぶと、epsやpngなどの画像を作成できます。これで、このページの最初にある完成図が出来上がります。